ヘッドホンは基本的にハウジングの部分が完全に閉じられた密閉型と網で覆われた開放型の2タイプに分類されますが、そのどちらにも属さないのがソニーのフルオープンエアー型ヘッドフォンです。
フルオープンと言うその名の通り、耳とドライバーユニットの間が全く閉じられておらず、耳の近くにスピーカーがあるかのようなその独特の構造は、蒸れやすい夏場は特に有効です。
そこで夏の前に「MDR-MA900」を買ってみたのですが、音質的に・・・な感じだったので結局ほとんど使わずじまいでした(汗。
ただ、これの前身である「MDR-F1」はかなり評判のよい機種だったので、それならばという訳で両者を比較してみました。
まずは「MDR-MA900」ですが、これの難点は音が痛いところです。
解像度については悪くないと思うのですが、なんというか素麺が乾燥状態のまま押し寄せてくるかのように堅い音がチクチクします(苦笑。
一方の’「MDR-F1」は非常にやわらかな感触で、音に繋がりを感じます。
装着感もアーム部分が金属で堅い「MDR-MA900」より布製バンドの「MDR-F1」の方が良好です。
まぁHi-Fiを目指すという意味では「MDR-MA900」の方向性も間違ってはいないと思いますが、ここまで違うとなると、「MDR-F1」は「MDR-MA900」と併売した方がいい気がしてきます。
ちなみに音が抜けやすい構造上、低音が弱いのはどちらも同様ですが、低音の迫力についてだけは「MDR-MA900」に軍配を上げてもいいと思います。
もっとも、「上げてもいい」という程度の差なので、総体的には「MDR-F1」の優勢勝ちだと思いますが。