アニメ録画用オールインワンパッケージソフト「foltia ANIME LOCKER 4.5」を軽く使ってみた結果、中身はLinux(CentOS6.8)そのものだということが分かったので、それならファイルサーバ兼用にすればNASが1台減らせるじゃん、とデータドライブのRAID化を試してみることに。
foltiaがデフォルトで採用しているLVMという仕組みではRAID1は出来てもRAID5は無理っぽいのと、マザーボード内蔵のなんちゃってRAIDだとドライバを別途インストールする必要がありそうなので、今回はブートドライブとは別にmdadmでソフトウェアRAID5ドライブを作成し、それをLVMへ組み込む方向でインストールしてみました。
使用した機材は以下。
- CPU: Xeon E3-1260L
- CPUクーラー: サイズ 刀2
- マザー: ASUS P8Z77-I DELUXE
- メモリ: CenturyMicro CAK4GX2-D3U1333
- システムドライブ: MTRON MSD-SATA3035-032
- データドライブ: Seagate ST3000NC002×3台
- ケース: アビー acubic T20
- 電源: Seasonic SS-660KM
当初マザーボードはXeon専用のIntel Server Board S1200KPを使う予定だったのですが、何故かDHCPでIPアドレスを拾ってきてくれないので、次善の策でASUS P8Z77-I DELUXEへスイッチ。
そして手持ちの電源で小容量かつ高信頼性なものがなかったのでSeasonicの660W電源をチョイス。高々HDD3台に、CPUが省電力版XeonでVGAカード無しの構成で660Wは明らかオーバースペックですがこちらもまぁやむなし。
で、ハードは一通り揃ったのでいよいよfoltia ANIME LOCKERのインストールに取り掛かる訳ですが、ここでポイントとなるのはRAIDを構成するタイミングです。
よくあるLinuxのディストリビューションですとインストール時にRAID構成にするか選べるのですが、foltiaのWEBインストーラは問答無用で非RAIDなLVMボリュームを作ってしまうため、
- ログインプロンプトが出たら rootでログイン
- デフォルトパスワードはfoltiaroot
- partedコマンドでHDDを初期化
- 今回はHDD3台分繰り返す(ウチの環境だと /dev/sda、/dev/sdb、/dev/sdc が割り当てられていましたが、適宜読み替えること)
# parted /dev/sda
GNU Parted 2.1
/dev/sda を使用
GNU Parted へようこそ! コマンド一覧を見るには ‘help’ と入力してください。
(parted) print
(parted) mklabel gpt
(parted) unit GB
(parted) mkpart primary ext4 0 -0
(parted) print
(parted) quit
- 今回はHDD3台分繰り返す(ウチの環境だと /dev/sda、/dev/sdb、/dev/sdc が割り当てられていましたが、適宜読み替えること)
- mdadmコマンドでRAIDドライブ化(引数は先頭から順に、「作成先は/dev/md0」「RAID5で」「HDD3台をアクティブ」「/dev/sda,b,cの1番めのパーティションを利用」を意味する)
mdadm –create /dev/md0 –level=5 –raid-devices=3 \
/dev/sd[abc]1 - 初期化が終わるまで数時間待つ(途中経過は cat /proc/mdstat で確認可能)
というようにfoltiaが起動したらCUIでRAIDドライブを構築し、RAIDドライブが出来上がったらあとはWEBインストーラーに従ってインストールしていけばOK。
注意点としてはデータドライブを選ぶ際、RAID化されたドライブ(/dev/md0)と、ベースのHDD(/dev/sda~c)の両方がデフォルトで選択されており、うっかり両方選んでしまうと変なことになること請け合いなので、HDD側はチェックを外してあげましょう。
ちなみにmdadmによるソフトウエアRAIDはそこそこCPUパワーを喰う(Xeon E3-1260Lですら1コア70%程度を消費する)ので、2コアCPUとかだとちょっと荷が重いと思います。