ASRock B365 Pro4にCore i7-8086Kを刺してもUEFI上にBFBの設定が出てこないので、てっきり第8世代CoreプロセッサはBFBに対応していないものだとばかり思っていましたが、とんだ勘違いであることが発覚。
ASRock Z490M-ITX/acだとOC Tweakerのタブの中に「Base Frequency Boost」という項目が出てきたので、B365 Pro4も一緒だろうと思いこんでいたのですが、実は下の方に「Long Duration Power Limit」という項目があり、どうやらこれがBFBに相当するようです・・・。
初期状態は「AUTO」になっていて、ボタンを押しても特にドロップダウンリストが出てくるわけでもなく、設定不可項目だとばかり思っていたのですが、実はここにTDPの値を数字で直接入力することが可能であることが、実験用にパソコン工房へ発注した中古のCore i7-9700Kが届いた後で気づきました(汗。
まぁバルク品とはいえ送料込で35,082円というのは格安なので結果オーライということにして、Core-i7 8086KとCore i7-9700KそれぞれでCinebench R20を試してみた結果がこちら。
デフォルト(TDP 95W) | BFB 125W | |
Core-i7 8086K | 3315 | 3355 |
Core i7-9700K | 3374 | 3627 |
Intel Extreme Tuning UtilityでTDPの挙動を見てみると、8086KはTurbo Boost全開でも105Wしか消費しないので、BFBでTDP上限を125Wに上げてもデフォルト状態と大差なく、ベンチマーク結果も誤差の範疇です。
一方、9700Kは最大144WまでTDPが上昇するので、こちらはBFBが効果的に働いてベンチマークスコアもそれなりに伸びています。
そのため、Core i5-10400の実験の際に推測したとおり、発熱が多いCPUほどBFBの恩恵が大きいというのは第8・第9世代Coreプロセッサにも言えるようで、最良を目指すなら見かけのTDPが低いが実際には激熱なCore i9-9900を使うべし、という結論になりそうです(まぁ第10世代の場合、Core i7-10700ですらTDP160W超えなので、ベストはCore i9-10900だと思いますが)。
という訳で無事B365マザーでもBFBを動作させることが出来たのですが、ぶっちゃけこれ、人にはオススメできないですね(苦笑。
何分、ASRock B365 Pro4のメインターゲットがビジネスユース向けっぽいので、機能面ではシンプルイズベストで特に目をみはるような点もなく、メモリクロックも仕様通りDDR4-2666が上限になっていて、遊び心が感じられないんですよね・・・。
そんな訳で色々弄りたい自作PCユーザなら、もれなくBFBに対応しているZ490(か、最低でもH470)マザーの方が向いていると思います。