『ハンダ付けなしで誰でもできる!USB DACキットではじめる高音質PCオーディオ』読者レビュー第3回目はコンデンサーの交換その2です。(第1回目)(第2回目)
「DVK-UDA01」でコンデンサを交換する際に注意しないといけないのは、コンデンサのリード線が太すぎると刺さらないという点で、0.6mmを超えるサイズの物はそのままだと使えません。
そして1000μFを超えたあたりからこの制約に引っかかり出すため、大容量コンデンサを使うのが実質難しくなっています。
そこで何とかならないものかと思案したところ、ピンソケットを使う事でどうにか回避できる事が分かりました。(こんなやつですが、サイズ的にかなりギリギリで、力一杯挿さないと入らないです)
これで買いだめておいたコンデンサがようやく使えるようになったので色々試聴してみました。
ちなみに、特筆無き場合は全てヘッドフォンにオーディオテクニカのATH-W3000ANVを使用しています。
ニチコンFine Gold(FG) 3300μF 10V
高音が強めにでるので、女性ボーカルとかだと突き刺さることも。音質はドライでかすれている感がある。
そんなに悪くは無いと思うけれど、好き嫌いで言うとそれ程好きじゃ無いような(苦笑。
日本ケミコン KZH 2200μF 16V
高音はきれいで低音の切れも良い。温かめの音質。リード線も細めのタイプなので「DVK-UDA01」で策を弄せずに使う分には都合が良いです。
加えてお値段も他のコンデンサより安いので、コストパフォーマンス重視で考えるなら私的にはイチオシ。
三洋OS-CON SA 2200μF 6.3V
音の広がりもそうだけど分離も素晴らしい。熱に弱く半田付けした場合はリカバリーに100時間ほど鳴らしこみが必要と言われているが、はんだ付け不要な「DVK-UDA01」にはまさにベストマッチかと。
既に製造が終了しているため、今後は入手困難になるであろうことが非常に惜しい逸品。
あとbeyerdynamic T1で聞いていてグッときたのは、今回試した中だとこれだけでした。
※注) メーカー曰く、「OSコンをカップリングコンデンサとして使ってはならない」とのことなので、使用には自己責任で、ということになります。
ちなみに使ってはいけない理由は「コンデンサ壊れる」→「回路がショートする」→「大電流が流れて接続機器がアボン」のコンボが発生するからです。なので壊れても泣かない心構えが必要です。
エルナ SILMIC II 1000μF 25V
三洋SAの対抗に選ぶとしたらこれ。多少高音が抑えられた感はあるが、音に艶があるので気分によって使い分け出来そう。
難点は入手性の悪さと価格か。秋葉原だと海神無線で購入可能だけど、1個で700円オーバーというのはちょっと試してみようと思うには敷居が高いよなぁ・・・。
三洋OS-CON SEP 560μF 10V
SAのリード線の太さに途方に暮れていた時、それでもOS-CONを試してみたくて買ったのですが、鈍くさい音で、正直SAには遠く及ばないです。
もっとも、音の好みは千差万別なので、この鈍い音が良いんだという人もいるのかもしれませんが。
東信工業 UTSJ 1000 μF 25V
ただでさえ高音強めのニチコンFGをさらに強化した困った感じの音です(苦笑。まぁ幾分艶が加わっている分、FGよりもは好きかも。
ATH-W3000ANVだと高音に耐えきれず悶え死にそうですが、beyer T1だと良い感じに高音が押さえ込まれてバランスが良くなります。
とはいえそれでも高音強めですが。
以上、手持ちのコンデンサを全て試してみた訳ですが、序列をつけるとなるとこんな感じでしょうか?
三洋SA≧SILMIC II>KZH>UTSJ>ニチコンFG≫三洋SEP
取り敢えず、三洋SAについて気になるという人は流通在庫が残っているうちに確保しておいた方がよろしいかと。
→Amazonで購入
コメント
OS-CONはカップリングに使うな、アンプやヘッドホン壊すから。
とSANYO自身が言っています(SAもSEPも含めて)。
自己責任で試すならともかく、人に勧めるのはどうかと。
確かにOS-CONの危険性について触れていないのは良くないので注記をいれておきました。ご指摘ありがとうございます。